安寿と厨子王
絵:掘 泰明 文:森 忠明
価格1800円(税抜)
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姉、安寿と弟、厨子王の
悲運の物語。
中世末期に成立。
江戸初期に最盛期を迎えた説経節と
いわれる語り物のひとつ。さんしょ
う太というタイトルでも知られる。
父のために京へ旅立つ四人、安寿と
厨子王、母、乳母。陸 奥(今の福島・
宮崎・岩手・青森県と秋田県の一部)
を出発した一行は越後の直江津(新
潟県南西部)へ着く。ここで人売り
にそそのかされ、姉と弟、母と乳母
は別々の船に乗せられてしまう。母
と別れた二人は、丹後の由良(京都
府宮津辺り)でさんしょう太夫(太
夫=地域の長)に買い取られる。彼ら
はつらい労働を強いられ、とうとう
安寿は厨子王を逃すが、ひどい拷問に
あい、命を落とす。しかし、姉から渡
された地蔵菩薩の霊験が厨子王の身を
護り、無事都へ。帝から父の許し状
をもらい国守(地方諸国を治める国
司の長)となった厨子王は、長い苦難
の末に母と再会する。
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